一点の見積もりではなく分布として予測する

予測を単一の予想数値ではなく、起こりうる結果の範囲として表現する。

Why it works

一点見積もりは誤った精密さを伝え、ばらつきに関する有用な情報を抑え込んでしまう。平均6か月かかるプロジェクトでも、10パーセンタイルでは3か月、90パーセンタイルでは18か月という結果分布がありうる——この分布は、一点見積もりでは見えない形で計画判断、リソース配分、予備予算の組み方を変えるべきものだ。分布を伝えることで不確実性が可視化され、後続の意思決定が改善される。

How to do it

  1. 重要な予測については、楽観的(クラスの10パーセンタイル)、中央値、悲観的(90パーセンタイル)の3つの数値を報告する。
  2. リファレンスクラスが右に歪んだ分布を示す場合(ほとんどのプロジェクトがそうだ)、非対称に重みづけする。
  3. 予算と計画は中央値で立てるが、計画が75パーセンタイルの結果にも耐えられるようにする。
  4. 分布を一点に変換しろという圧力に抵抗する——一点見積もりは計画に関わる情報を破壊してしまう。

エビデンス

コスト超過やスケジュール遅延に関する研究は一貫して右に歪んだ分布を示している——結果は平均よりはるかに悪くなりうるが、はるかに良くなることは稀だ。右に歪んだ分布において中央値で計画を立てると、体系的に準備不足になる。テットロックらが研究した複数の領域で、区間予測は一点予測よりも正確かつ有用だった。 (observational)

分布を伝えることは社会的により難しい——関係者は自信に満ちた一点見積もりを好む。精度の向上には、明示的に管理すべきコミュニケーション上のコストが伴う。

出典

  • Flyvbjerg (2002), cost overrun distributions in infrastructure projects
  • Tetlock & Gardner (2015), Superforecasting, Chapter 7

よくある間違い

「楽観的」見積もりを計画として、「悲観的」見積もりを予備として扱うこと——リファレンスクラスが示す悲観的な結果こそが最頻値であり、例外ではない場合がある。

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