セッション前に中断要因を排除する
注意が向け直された瞬間にフローは崩壊する——始める前に気の散らない環境をつくる。
Why it works
中断のあとの注意の回復は遅く、アテンション・レジデュー(注意の残留)に関する研究では、ごく短い課題の切り替えでも認知的な「糸」が最大20分間活動し続け、フローを定義する完全な注意の没頭を妨げることが示されています。通知や自己中断のひとつひとつが、フローに必要な集中の蓄積をリセットしてしまいます。
How to do it
- 電話を別の部屋に置くか、(サイレントだけでなく)デバイスレベルで完全なおやすみモードを有効にする。
- 課題に不要なブラウザタブやアプリケーションをすべて閉じる。
- 同じ空間にいる人にその時間帯は対応できないことを伝える。
- 見えるタイマーを使い、中断のない時間が有限であることを確認する。
エビデンス
アテンション・レジデューの研究では、課題の切り替えが次の課題のパフォーマンスを測定可能な時間だけ損なうことが分かっており、フローには持続的で途切れない注意が必要だというメカニズムと一致しています。 (observational)
アテンション・レジデューの研究はパフォーマンスの低下を測定しているのであって、フロー状態そのものではありません。フローとのつながりはメカニズム的なものです。
出典
- Leroy (2009), attention residue effect, Organizational Behavior and Human Decision Processes
- Leroy, S. (2009). Why is it so hard to do my work? The challenge of attention residue when switching between work tasks. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 109(2), 168–181.
- Ward, A. F., Duke, K., Gneezy, A., & Bos, M. W. (2017). Brain drain: The mere presence of one’s own smartphone reduces available cognitive capacity. Journal of the Association for Consumer Research, 2(2), 140–154.
よくある間違い
電話をサイレントにしても机の上に表向きに置いておくこと——研究ではスマートフォンが視界に入るだけで利用可能なワーキングメモリが減ることが分かっており、物理的な距離が重要です。
IX Coach でこれを実践する
More practices for フローと意味:チクセントミハイの枠組み
- 挑戦をスキルに合わせて調整する
今の実力より少し上に難易度を調整する——ドリフトしてしまうほど簡単でも、固まってしまうほど難しくもなく。
- 始める前に明確で即時的な目標を設定する
座る前に、これから25〜90分間の成功とは何かを定義する——あいまいな意図はフローを妨げる。
- オートテリック体験:それ自体のために行う活動を見つける
オートテリック体験とは、それが生み出す見返りのためではなく、それ自体があなたに報酬を与える体験のこと——一週間を監査し、すでに自分の中で起きている場所を見つける。
- セッション全体で一つの課題にコミットする
フローはマルチタスクと相容れない——一つを選び、そのブロックの間はそれを守る。
- フロー・ジャーナルをつけて自分の条件を学ぶ
没頭したセッションのあとに振り返り、あなたにとってフローを生み出した具体的な条件を地図化する。
- 深い作業への移行に入場儀式を使う
簡潔で一貫した開始前の儀式は、神経系にスキャン・モードから没頭モードへ切り替えるよう合図する。