(情報を持っているなら)先に提示する
適正な価値の範囲を把握しているなら先にアンカーを打て——最初の数字が取引をそこへ引き寄せる。
Why it works
最初の数字は双方が調整の基準とする参照点となり、その調整は体系的に不十分になるため、最終的な数字は中立の中間点よりもアンカーに近い場所に落ち着く。先に提示することで、反応する側ではなく、その参照点を設定する側に回れる。
How to do it
- 実際の価値の範囲について信頼できる感覚があるときだけ、先にアンカーを打つ。
- アンカーは野心的だが正当化できる水準に設定する——極端すぎると一蹴されてしまう。
- 数字には理由を添え、恣意的ではなく筋の通ったものとして伝わるようにする。
エビデンス
アンカリングは判断研究の中でも特に頑健に再現される効果の一つであり、交渉研究でも最初の提示額が最終結果を予測する傾向が見られる。 (rct)
価値についての十分な情報がない場合、先にアンカーを打つことは低い上限を露呈させ逆効果になりうる。この優位性は、ある程度情報を持っていることを前提としている。
出典
- Galinsky, A. D., & Mussweiler, T. (2001). First offers as anchors: The role of perspective-taking and negotiator focus. Journal of Personality and Social Psychology, 81(4), 657-669.
- Galinsky, A. D., & Mussweiler, T. (2001). First offers as anchors: The role of perspective-taking and negotiator focus. Journal of Personality and Social Psychology, 81(4), 657-669.
- Tversky, A., & Kahneman, D. (1974). Judgment under uncertainty: Heuristics and biases. Science, 185(4157), 1124-1131.
よくある間違い
礼儀として相手に先に切り出させ、アンカーを手渡した上で、そこから十分に調整できずに終わること。