積み上げではなく、結論から伝える
まず自分の結論や提案を述べ、その後に裏付けとなる証拠を示す。
Why it works
意思決定の文脈における聞き手は、認知的なリソースに制約がある。文脈が要点より先に前置きされると、聞き手は要点を待ちながら文脈を作業記憶に保持しなければならず、その負荷が理解力と忍耐力を損なう。結論から伝えることは、脳にまず組織化のスキーマを与える。それによって、入ってくる証拠は保留にされるのではなく、既知の構造に整理される。これが、ジャーナリストが逆三角形を使い、「lede(見出し)を埋める」という失敗のモードが存在する理由である。
How to do it
- 文書の最初の文を、読み手の頭にある問いへの答えとして書く。
- テストする。最初の文だけを読んだ人が、あなたが何を推奨しているか、あるいは状況が何を必要としているかがわかるかどうか。
- 背景と文脈はすべて従属的なセクションへ移す。手に入るが要点を妨げないようにする。
- これを再帰的に適用する。文書の各セクションも、その結論から始めるべきである。
エビデンス
ピラミッド原則は、1970年代にマッキンゼーで開発され、ビジネスライティング、コンサルティング、経営陣向けコミュニケーションで広く採用されている、確立された専門的実践である。作業記憶の限界とスキーマに基づく処理に関する認知科学の研究がその仕組みを裏付けているが、ビジネスコミュニケーションの構成についての直接的な比較試験は限られている。 (mechanistic)
ボトムアップの物語が適切な場合もある。説得のためのストーリーテリング、感情的な文脈、結論を文脈なしには受け入れない敵対的な聞き手などである。結論から伝えることは、情報伝達型のコミュニケーションにおける既定であり、普遍的な法則ではない。
出典
- Minto (1987/2002), The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking
- Miller (1956), "The magical number seven," Psychological Review — on working memory limits
よくある間違い
最初の文を、答えの文(「私たちはXをすべきだ。なぜならYだから」)ではなく、話題の文(「このメモはXについてです」)として扱ってしまうこと。話題の文は結論から伝えることにはならない。
IX Coach でこれを実践する
More practices for ミント・ピラミッド原則
- SCQA(状況―複雑化―問い―答え)で問題を枠づける
SCQAフレームワークを使い、自分の推奨を述べる前に文脈をきれいに確立する。
- 裏付けとなる考えを、重複せず全体を網羅する分類にまとめる
3〜5個の裏付けとなる論点を、互いに重複せず、全体として論点を完全にカバーするように組織する(MECE)。
- ピラミッドのすべての階層で並行構造を使う
階層の同じレベルにあるアイデアは、文法的にも論理的にも並行しているべきである。
- すべての裏付けとなる論点に「だから何?」テストを適用する
各裏付けとなる論点は、ピラミッドの上にある問いに直接的かつ独自に答えるべきである。
- 自分が興味を持った問いではなく、読み手が心に抱いている問いに向けて書く
自分の分析とその結論からではなく、読み手の状況と差し迫った問いから始める。